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アメリカ、家族のいる風景

「アメリカ、家族のいる風景」
2005年 ドイツ・アメリカ共作
監督/ヴィムヴェンダース
脚本・主演/サム・シェパード
出演/ジェシカ・ラング、サラ・ポーリー、エヴァ・マリー・セイント、ティム・ロス
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ネットオークションで「パリ、テキサス」を探している最中に出品されていたので購入。十数年前に「パリ、テキサス」を確か「NHKの教育」だったと思うがテレビで観て号泣。その後監督の名を知り、「ベルリン・天使の歌」をレンタルビデオで観た。ヴィム・ヴェンダースは「ロード(・ゴーイング)・ムービー」の監督しては有名で、この頃自分の好きな映画が「ロード・ムービー」と括られるジャンルの映画だと少しずつ自覚するようになった。

「バニシング・ポイント」、「イージー・ライダー」、「グライド・イン・ブルー」、「ローリング・サンダー」、「ファイブ・イージー・ピーセス」など昔テレビやレンタルビデオで観て衝撃を受けた、表現できない感動をした作品群は古い「ロード・ムービー」だった。(もちろん上記の作品は「アメリカン・ニューシネマ」とも括れる)それからは関連する書籍を購入して同ジャンルの映画に関する情報収集を図り、次に観たい作品を決め期待を膨らませたりした。
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ヴェンダースの作品では、比較的初期の「都会のアリス」(1973年)、「さすらい」(1976年)、世界的にも評価されロードムービーの監督しての地位を不動のものにした「パリ、テキサス」(1984年)、そして音楽好きからも評価の高い「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」(1999年)が有名だと思う。上記のそれぞれの作品や他の作品の解説については下記のような書籍に譲るとして

e/m BOOKS Vol.1「ヴィム・ヴェンダース」
2002年初版 エスクァイアマガジンジャパン発行
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「アメリカ、家族のいる風景」だが2005年の作品なので上記の書籍に作品の解説は掲載されていない。
まずタイトルが良い(原題はDon’t come knocking」)。憬れの地であるアメリカ、身近にあるのになぜか遠くに求める家族の絆。下手(べた)ではあるがそんな観る者の心象を表現していると思う。自分には原題の方が下手に感じる。あえて作品について調べずに観賞した。
この作品には「パリ、テキサス」のような感動の結末はない。しかし「パリ、テキサス」よりも救いがある。「パリ、テキサス」で主人公たちは愛し合っているのに一緒に暮らす事はできなかった。しかし「アメリカ、家族のいる風景」ではタイトル通り、主人公は映画の撮影が終わったらきっと新しい家族と一緒に過ごす事を選択するだろう。超ベテラン、中堅、今後が期待できる俳優など配役が良く、ジェシカ・ラングの感情表現、サム・シェパードの「ダメ男」の演技などつい感情移入してしまう程だった。

 まだ観ていない「都会のアリス」と「さすらい」、「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」を観たくなった。

個人的な評価 ★★★(5点満点白星は0.5点)

by sade-adu | 2009-12-19 00:00 | 映画2000年代以降